変数分離形と一階線形で済まないやつら。Clairautは微分を含む陰関数型、Bernoulliは非線形だけど変数変換で線形に落とせるやつ、Riccatiは特殊解が1つわかれば残りが解けるやつ。それぞれ解き方の「型」が決まってるから、型を覚えればあとは計算するだけ。
Clairaut型
問1
x=tdtdx−logdtdx
Clairaut型の特徴は x=tf(p)+g(p)(p=dx/dt)の形をしていること。両辺を t で微分する。
dtdx=(dtdx+tdt2d2x)−dtdx1⋅dt2d2x
整理すると、
dt2d2x(t−dtdx1)=0
因数分解されて2つのケースが出る。これがClairautの面白いところ。
ケース① d2x/dt2=0 のとき。dx/dt=C(定数)だから、元の式に代入して、
x=Ct−logC
これが一般解。C を含む直線族になる。
ケース② t−1/(dx/dt)=0 のとき。dx/dt=1/t だから、元の式に代入して、
x=t⋅t1−logt1=1+logt
これが特異解。一般解の直線族の包絡線になっている。
x=Ct−logC,x=1+logt
問2
x=tdtdx−edx/dt
u=dx/dt とおくと x=tu−eu。微分して、
u=(u+tdtdu)−eudtdu
0=dtdu(t−eu)
ケース① du/dt=0 → u=C → x=tC−eC。一般解。
ケース② t=eu → u=logt → x=tlogt−t=t(logt−1)。特異解。
x=tC−eC,x=t(logt−1)
Clairautはパターンが決まっていて、両辺微分 → 因数分解 → 2ケース、の流れは全問共通。特異解が包絡線になるっていう幾何学的な意味も覚えておくといい。
Bernoulli型
Bernoulli方程式の一般形は dx/dt+P(t)x=Q(t)xn。n=0,1 なら線形だけど、それ以外は非線形。z=x1−n と置換すると一階線形に帰着する。
問3(n=3)
dtdx+tx=t2x3
n=3 だから z=x1−3=x−2 とおく。dz/dt=−2x−3⋅dx/dt。
元の式の両辺に −2x−3 を掛けると、
dtdz−t2z=−2t2
一階線形になった。
(i) 斉次方程式 dz/dt=(2/t)z を解く。変数分離で z=Ct2。
(ii) 定数変化法。 z=ut2 とおいて代入すると du/dt=−2、よって u=−2t+C。
z=(−2t+C)t2
z=x−2 に戻すと、
x2=(−2t+C)t21
問4(n=2)
tdtdx+x−x2logt=0
n=2 だから z=x−1 とおく。dx/dt=−x2⋅dz/dt を使って代入すると、
−tdtdz+z−logt=0
整理して dtdz=tz−tlogt。
斉次方程式 dz/dt=z/t の解は z=Ct。定数変化法で z=ut とおくと、
dtdu=−t2logt
部分積分で u=(1+logt)/t+C。よって z=1+logt+Ct。
z=x−1 に戻して、
x=1+logt+Ct1
Bernoulliは「z=x1−n で置換」を覚えておけば機械的に解ける。あとは定数変化法の計算力。
Riccati型
Riccati方程式は dx/dt=P(t)x2+Q(t)x+R(t) の形。一般的には解析解が求まらないけど、特殊解 x1 が1つわかっていれば x=v+x1 と置換してBernoulliに帰着できる。
問5
dtdx=(t−1)x2−(2t−1)x+t
x=1 が特殊解(代入すると (t−1)−(2t−1)+t=0 で確認できる)。x=v+1 とおくと、
dtdv=(t−1)(v+1)2−(2t−1)(v+1)+t
展開して整理すると(ここがちょっと重い)、
dtdv+v=v2(t−1)
n=2 のBernoulli。z=v−1 とおいて、
dtdz−z=−(t−1)=1−t
斉次解は z=Cet。定数変化法で z=uet とおくと du/dt=(1−t)e−t。部分積分して u=te−t+C。
z=t+Cet,v=t+Cet1
x=t+Cet1+1
問6
tdtdx−x+2x2=2t2
x=t が特殊解。x=v+t とおいて代入、展開して整理すると、
tdtdv+(4t−1)v=−2v2
n=2 のBernoulli。z=v−1 で変換すると、
tdtdz−(4t−1)z=2
斉次方程式 t⋅dz/dt=(4t−1)z を変数分離で解くと、
zdz=(4−t1)dt⟹z=tCe4t
定数変化法で z=u⋅e4t/t とおいて代入すると du/dt=2e−4t。積分して u=−21e−4t+C。
z=2tCe4t−1,v=Ce4t−12t
x=Ce4t−12t+t
Riccatiは特殊解を「見つける」ところが一番難しい。問題で与えてくれるならいいけど、自分で見つけるなら x=1 とか x=t とか簡単なやつを試すしかない。