非斉次二階線形微分方程式を解くにはやることが2つある。
- 斉次方程式(右辺=0)を解いて、解の形を求める(補関数)
- 非斉次の右辺に合わせて特殊解を「予想」して、係数を決定する
一般解 = 補関数 + 特殊解。これだけ。あとはパターンマッチと計算力の世界。
問1
dt2d2x+2dtdx+x=8et
① 斉次を解く。 特性方程式 λ2+2λ+1=0 を因数分解すると (λ+1)2=0。重解 λ=−1。
xh=(C1+C2t)e−t
② 特殊解を予想する。 右辺が 8et だから xp=Aet と予想。代入すると xp′′+2xp′+xp=Aet+2Aet+Aet=4Aet=8et、よって A=2。
x=2et+(C1+C2t)e−t
右辺の et が補関数の e−t とかぶってないから、素直に Aet で予想すればOK。かぶってたら t を掛けて持ち上げる必要がある。
問2
dt2d2x−2dtdx+2x=5cost
特性方程式 λ2−2λ+2=0。解の公式で λ=1±i。複素根。
xh=et(C1cost+C2sint)
右辺が 5cost だから xp=Acost+Bsint と予想。代入して整理すると、
(A−2B)cost+(2A+B)sint=5cost
cost と sint の係数を比較して連立方程式。A−2B=5、2A+B=0。解くと A=1、B=−2。
x=cost−2sint+et(C1cost+C2sint)
補関数は etcost、etsint で、特殊解の cost、sint とは別物(et の有無が違う)。だからかぶらない。
問3
dt2d2x+2dtdx+4x=4t2+4t−6
特性方程式 λ2+2λ+4=0。λ=−1±3i。
xh=(C1cos3t+C2sin3t)e−t
右辺が2次多項式だから xp=At2+Bt+C と予想。xp′=2At+B、xp′′=2A。代入すると、
t2(4A)+t(4A+4B)+(2A+2B+4C)=4t2+4t−6
係数比較で A=1、B=0、C=−2。
x=t2−2+(C1cos3t+C2sin3t)e−t
多項式右辺は一番素直なパターン。右辺の最高次と同じ次数の多項式で予想するだけ。
問4
dt2d2x−2dtdx=−6t2+6t+6
特性方程式 λ2−2λ=0。λ=0,2。
xh=C1e2t+C2
ここがちょっとした罠。右辺は2次多項式だから At2+Bt+C と予想したくなるけど、λ=0 が特性根にいるから定数項 C が補関数の C2(定数)とかぶる。だから1つ次数を上げて xp=At3+Bt2+Ct と予想する。
xp′=3At2+2Bt+C、xp′′=6At+2B。代入して、
−6At2+(6A−4B)t+(2B−2C)=−6t2+6t+6
A=1、B=0、C=−4。
x=t3−4t+C1e2t+C2
問5
dt2d2x+6dtdx+9x=−4e−3t
特性方程式 λ2+6λ+9=0。(λ+3)2=0、重解 λ=−3。
xh=(C1+C2t)e−3t
右辺の e−3t が補関数とモロかぶり。しかも重解だから te−3t ともかぶる。だから t2 まで持ち上げて xp=At2e−3t と予想する。
これを代入するのがちょっと面倒。xp=At2e−3t の微分を頑張って計算すると、最終的に 2Ae−3t=−4e−3t に落ちて A=−2。
x=−2t2e−3t+(C1+C2t)e−3t
重解でかぶるケースは t2 まで上げる。単根でかぶるなら t を1つ掛けるだけでいい。このルールを覚えておけば予想で迷わない。
問6
dt2d2x−3dtdx+2x=2tet
特性方程式 λ2−3λ+2=0。(λ−1)(λ−2)=0、λ=1,2。
xh=C1e2t+C2et
右辺が 2tet。et が補関数にいるから t を掛けて、xp=(A+Bt)tet と予想。展開すると xp=(At+Bt2)et。
微分と代入がけっこう重いけど、係数比較で A=−2、B=−1。
x=(−2−t)tet+C1e2t+C2et
右辺が「多項式 × 指数関数」のパターン。指数部分が補関数とかぶるから t を掛ける。多項式部分は右辺と同じ次数(1次)で予想する。
問7
dt2d2x+4x=−4sin2t
特性方程式 λ2+4=0。λ=±2i。
xh=C1cos2t+C2sin2t
右辺の sin2t が補関数とかぶる。t を掛けて xp=(Acos2t+Bsin2t)t と予想。
微分して代入すると綺麗に消えて、4Bcos2t−4Asin2t=−4sin2t。A=1、B=0。
x=tcos2t+C1cos2t+C2sin2t
三角関数がかぶるケースも t を掛ける。ここまで来るとパターンが見えてくるよね。
初期値問題①
dt2d2x−2dtdx+x=t2−t−3,x(0)=3,x′(0)=4
特性方程式 λ2−2λ+1=0、重解 λ=1。xh=(C1+C2t)et。
xp=At2+Bt+C で予想。代入して A=1、B=3、C=1。
x=t2+3t+1+(C1+C2t)et
初期条件を適用する。x(0)=1+C1=3 より C1=2。x′(0)=3+C1+C2=4 より C2=−1。
x=t2+3t+1+(2−t)et
初期値問題②
dt2d2x−4x=−e3t,x(0)=0,x′(0)=−9
特性方程式 λ2−4=0、λ=±2。xh=C1e2t+C2e−2t。
e3t は補関数とかぶらないから xp=Ae3t で素直に予想。9A−4A=−1 より A=−51。
xp=−51e3t
一般解は x=−51e3t+C1e2t+C2e−2t。初期条件から C1、C2 を決定する連立方程式を解く。
非斉次の特殊解予想で迷ったときの判断基準はシンプルで、右辺の関数が補関数とかぶってるかどうか。かぶってなければそのまま予想。かぶってたら t を掛ける。重解でかぶってたら t2 まで掛ける。